車検が通らない!その理由と対策を徹底解説!
車を所有している方なら誰もが行う「車検」
二年に一度(新車は初回のみ三年に一度)は必ず受けなければいけない検査になっています。
仮に車検を受けず車検が切れた状態で公道を走らせてしまった場合、無車検車走行となり『道路運送車両法違反』となり、点数減点・30日間の免許停止・6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となってしまいます。
この車検で気を付けなければいけないことは「車検が通らない車」もあるということです。
どんな車が車検に通らないのかを簡単に言いますと
「車検の通らない社外パーツを装着している」
「車に不具合があり、そのままでは車検が通らない」
という理由から車検が通らないことがあります。車検を通すためには、これらをしっかり変更・交換(又は修理)をしなければいけません。
では、どういった部分が車検に通らない場合があるのか?しっかり説明していきたいと思います。
車検の合否一覧
ヘッドライト
ヘッドライトは夜間・天候など点灯させる機会が多く安全性に深く関わる為、厳しい検査規定があります。
また、平成27年9月1日から測定方法が変わり、「ハイビーム測定からロービームでの測定」「カットライン」の二つが変更になりました。
今まではハイビームかロービームどちらかが検査合格していれば良かったのですが、これからはロービームのみでの検査になってしまい、色や明るさがシビアになりました。
カットラインは日本の公道用に改善されていない車は検査で必ず不合格になってしまいます。輸入車などこの対策が必要になってきます。カットラインとは対向車が眩しくならないようにヘッドライトに組み込まれています。日本ですと左側走行なので、右側(対向車)がカットオフされていれば問題ありません。
色 ⇒ 白色または淡黄色。約3,000〜6,500ケルビン程度(ケルビン → 色温度)
明るさ ⇒ 6,400カンデラ以上(カンデラ → 明るさ)
カットライン ⇒ 右側(対向車)がカットオフされていれること
スモールライト(車幅灯)
スモールライトはヘッドライトほど厳しい検査規定はないですが、基準として夜間に前方300mの距離から点灯が確認できるもの・光線が他の交通を妨げにならないものとなっています。原則として色は「白色」となっていますが。平成17年12月31日以前に作られた車は「白色または淡黄色」となっています。
色 ⇒ 原則「白色」(但しH17.12.31以前に作られた車は「白色」または「淡黄色」)
照明光線 ⇒ 夜間に前方300mの距離から点灯確認できるもの・光線が他の交通に妨げにならないもの
光源 ⇒ 5W以上30W以下(但しH17.12.31以前に作られた車は30Wを超えてもよい)
ウィンカー
ウィンカーは取付位置・面積・色・点滅回数の4つが基準になってきます。
取付位置は地上から35〜210cm以内で、ウィンカーの間隔は最内側で60cm以上(車幅130cm未満車は40cm)、最外側は自動車の角からウィンカーまでを40cm以内と定められています。ウィンカーの面積は前後ウインカーとも20uとなっています。
色は「橙色(オレンジ色)」であれば問題ありません。点滅回数は、毎分60〜120回以内で一定の間隔点滅していることが基準になります。社外のウィンカーにしている方はこの点滅回数に気を付けてください。
取付位置 ⇒ 地上から35〜210cm以内 ウィンカーの間隔は最内側で60cm以上(車幅130cm未満車は40cm)、最外側は自動車の角からウィンカーまでを40cm以内
面積 ⇒ 前後ウインカー20u
色 ⇒ 橙色(オレンジ色)
点滅回数 ⇒ 毎分60〜120回以内で一定の間隔点滅している
フォグランプ
フォグランプは取付位置・取付数・色・明るさが基準になってきます。
取付位置はヘッドライトより下に取付けられていることが条件となります。細かく説明しますと、地上から25cm以上〜80cm以下の高さに収まっていなければ車検に通りません。
フォグランプの取付数は規定により2個までとなっています。色は白色・淡黄色・黄色が車検に通ります。明るさに関してですが、平成17年12月31日以前に作られた車は1万カンデラ以下という基準があります。(平成18年以降の車は基準無し)
取付位置 ⇒ ヘッドライトより下・地上から25cm以上〜80cm以下の高さに収まっている
取付数 ⇒ 2個まで
色 ⇒ 白色・淡黄色・黄色
明るさ ⇒ 平成17年12月31日までに作られた車は1万カンデラ以下(平成18年以降の車は基準無し)
テールランプ
テールランプは車の後方についているレンズです。スモールライト・ヘッドライトを点灯させたりブレーキを踏むことで赤色に点灯する部分ですね。テールランプは色・明るさ・取付位置が基準になってきます。
色は赤色だけとなっています。明るさはテールランプで光源が5W以上30W以下、ブレーキランプで光源が15W以上60W以下となっています。但し、平成18年以降に作られた車は300カンデラ以下という基準があるので注意が必要です。
取付位置ですが、平成17年12月31日以前に作られた車であれば、上縁(上側)の高さは地上から2.1m以下・最外側の位置は40cm以内、平成18年以降に作られた車であれば上縁(上側)の高さは地上から2.1m以下・下縁(下側)の高さは地上から35cm以上・最外側の位置は40cm以内となっています。
色 ⇒ 赤色
明るさ ⇒ テールランプの光源:5W以上30W以下 ブレーキランプの光源:15W以上60W以下(平成18年以降に作られた車は300カンデラ以下)
取付位置 ⇒ 平成17年12月31日以前に作られた車:上縁(上側)の高さは地上から2.1m以下・最外側の位置は40cm以内 平成18年以降に作られた車:上縁(上側)の高さは地上から2.1m以下・下縁(下側)の高さは地上から35cm以上・最外側の位置は40cm以内
バックランプ
バックランプは車を後退させる時に点灯する後退灯です。バックランプは色・取付数・明るさが基準になってきます。
色は白色で、取付数は2個までとなっています。明るさですが、平成17年12月31日以前に作られた車は5000カンデラ以下は車検に通ります。(平成18年以降に作られた車は規定無し)
色 ⇒ 白色
取付数 ⇒ 2個まで
明るさ ⇒ 平成17年12月31日以前に作られた車は5000カンデラ以下(平成18年以降に作られた車は規定無し)
エアロパーツ
最近ではドレスアップ目的でエアロパーツを取付けている方も多くみられますが、このエアロパーツにも車検に通らない場合もあります。
エアロパーツは大きく分けて「フロントバンパー・サイドステップ・リアバンパー」の3つに分けられています。エアロパーツを装着した場合、車の全長や全幅が変わってきてしまい、車検が通らない場合があります。
車検を通す為には「全長±3cm 全幅±2cm」と定められています。規定内に収まらなく、どうしてもそのままで通したい場合は構造変更が必要になってきます。
また、エアロの角が鋭利に尖っているような構造であると危険と判断され車検に通らない場合もあります。
全長・全幅変更 ⇒ 全長±3cm 全幅±2cm以内
エアロパーツの構造 ⇒ エアロパーツの角が鋭利に尖っていない
リアスポイラー(ウィング)
リアスポイラーは車の後部(トランク部分)に取付けられているウィングのようなパーツのことを言います。ハッチバックタイプはルーフ部分に付いています。スポーツカー等によく取付けられていますよね。
純正で元から付いているリアスポイラーは車検に問題はありませんが、後付けのGTウィングなどは注意が必要です。GTウィングは基本的に「翼端が車の最外側から16.5cm(左右で33cm)内側に収まっていること」「翼端板部分とボディの隙間が2cm以下なら車幅まで」「形状が鋭利になっていないこと」と条件があります。しかし、この条件内であっても車検に通らない場合があります。検査官によってGTウィング自体NGとする所も少なくありません。車検を受ける前に一度聞いておくと良いかもしれません。
リアスポイラー ⇒ 純正は問題無し
GTウィング ⇒ 翼端が車の最外側から16.5cm(左右で33cm)内側に収まっている・翼端板部分とボディの隙間が2cm以下なら車幅まで・形状が鋭利になっていないこと
車高(最低地上高)
車高は基本的に下回りで一番低い所から9cm以上確保できていれば車検が通ります。下回りというのは、マフラーなどがついている車の底の部分ですね。下回りよりエアロパーツや泥除けの方が低い場合でも、、あくまで下回りから計測する形になるので気にしなくて大丈夫です。
車高@ ⇒ 下回りの一番低い所から9cm以上確保されている
車高A ⇒ 下回りよりエアロパーツや泥除けの方が低くても検査に影響なし
サスペンション
サスペンションは、ボディとタイヤの間に挟むように設置されているパーツです。サスペンションは路面の衝撃を吸収して緩和する役割を担っています。
基本スプリング式のサスペンション(車高調・ダウンサス)であれば、車検に影響はないです。気を付けてほしいのは、スプリング自体を加工してしまったり、スプリングのへたりが大きい場合は車検に通らなくなります。また、エアサスペンションなどは構造変更届を申請しなければいけません。
スプリング式サスペンション ⇒ スプリング自体の加工・へたりが大きいと車検不可
エアサスペンション ⇒ 構造変更届を申請しないと車検不可
マフラー
マフラーは、環境などへの配慮から年々規制が厳しくなってきています。主に車検に関わってくる部分は「音量」「出口部分の長さ」になります。マフラーの音量は96dB以下でなければなりません。出口部分の長さは、車体から出口部分がはみ出していないことが条件になります。
マフラーには、車検対応の他に『保安基準適合』『JASMA認定』なんていう物も存在します。これは何かと言いますと、マフラー製造時の基準の厳しさが違います。保安基準適合は、あくまで保安基準の規制値内に作れば問題ないということを前提として作成されている為、基準である96dBぎりぎりに作られているマフラーが多いです。マフラーは経歴劣化をすると中の消音材の効果が薄くなり、数年後には保安基準規制値外になってしまうこともあります。その点JASMA認定は、マフラー協会が定める様々な厳しい基準をクリアして作られているので、数年経っても保安基準規制値を超えることが極めて少ないです。
マフラー音量 ⇒ 96dB以下であること
マフラー出口部分の長さ ⇒ 車体からはみ出していないこと
車検対応マフラー ⇒ 保安基準適合・JASMA認定(※保安基準適合は経歴劣化により通らない場合有)
ホイール&タイヤ
ホイール&タイヤは、基本的に車のフェンダーからはみ出すほど大きいものをつけたら車検が通りません。また、ホイールのインチアップをしたらタイヤの扁平率を下げて純正時の外径と変わらなくするわけですが、扁平率を下げずに乗るとスピードメーターに誤差が生じて車検が通らなくなってしまいます。また、タイヤの溝も減りすぎていると車検には通ません。
はみ出し ⇒ ホイール&タイヤがフェンダーからはみ出ていないこと
インチアップ ⇒ ホイールのインチアップをしたら扁平率を下げてスピードーメーターに誤差がないようにする(詳しくはこちら→ホイールサイズを変えるとどうなる?)
タイヤの溝 ⇒ 減りすぎていないこと(詳しくはこちら→タイヤの寿命ってどのくらい?)
窓ガラス
窓ガラスはフロントガラス・サイドガラス・リアガラスと大まかに3つに分かれています。車検で確認されることは、ガラスのひび割れ・フィルムの二つになります。
ガラスのひび割れは、何ミリ以上という基準がないのでかなりグレーです。リペア剤などで補修できる程度であれば問題ないと思いますが、あまりにも目立つような大きさや場所にあると通らないことが多いようです。
フィルムは、つける場所によって違ってきます。フロントガラス・運転席・助手席側サイドガラスの3面は可視光透過率(ガラスとフィルムを合わせた時の数値)が70%以上であれば車検に通ります。後部座席の両サイドガラス・リアガラスは基本どのようなフィルムでも車検に通ります。
ひび割れ ⇒ リペア剤での補修可能であれば問題なし(目立つような大きさや場所であれば厳しい)
フィルム(条件有) ⇒ フロントガラス・運転席・助手席側ガラスは可視光透過率(ガラスとフィルムを合わせた時の数値)が70%以上
フィルム(条件無) ⇒ 後部座席の両サイドガラス・リアガラス
その他
ホーンマーク ⇒ 社外のハンドルに交換した際、ホーンボタンにホーンマークが無いと車検に通りません。ハンドルと同じメーカーのホーンボタンを買うか、ホーンマークのステッカーを貼ることで通すことができます。
クラクション ⇒ クラクションの音が出ないと車検に通りません。クラクションの音が鳴らないほとんどの原因はヒューズ切れなどが多いです。車検の際、クラクションが鳴らないことを伝えておけば車検時に修理もしてくれるので大丈夫です。
シフトパターン表示 ⇒ AT車・MT車どちらもですが、シフトパターンの表示が無いと車検に通りません。AT車の場合は無くなるということは殆どないですが、MT車の場合シールで貼られているタイプもあり剥がれて無くなっていることもあります。車検前までにはシフトパターン表示のステッカーを貼っておけば車検に通ります。
発煙筒 ⇒ 発煙筒は車に必ず1つは載せておかないといけません。また発煙筒には使用期限があり、切れていると車検に通りません。持っていない・使用期限切れの場合、必ず車検の際に伝えるようにしてください。
車検-まとめ-
如何だったでしょうか?車の箇所によって車検に厳しい部分もあれば、グレーな部分もあったと思います。
車検を受ける場所や検査員によってはどうしても車検が通りやすい・通りにくいという差が出てきてしまいます。
そんな時は、車検を受ける前に一度確認をとっておくことでスムーズに車検を受けることができると思います。